古い塔の話し

タタミ王国物語


 − 古い塔の話 −

ターミーが話してくれた事が頭の中に浮かんできた。
私がも少し小さかった頃のことよ…

小さな女の子が、扉の横に立っている。

「カオリどうした、眠れないのか?」

「ターミーおじさん!」

寂しそうにターミーの方を見つめて言った。

「パパとママのこと考えてたら眠れなくなったの。」

「カオリ、ここへ来てごらん。」

ターミーは手に持っていた本を横に置き、暖かいハーブティーを入れた。ソファーに座ったカオリに入れたてのカップを渡して話し始めた。

「そうじゃの〜」

カオリはハーブティーを飲みながら、考えているターミーを見ていた。少し間を置いて話し始めた。

「黄色の丘に古くからある塔があるんじゃ。」

「古いってどれくらい?」

「カオリが生まれる前、いやもっと前かな、パパとママも生まれる前じゃ。」

「じゃ〜ターミーおじさんも生れてなかったのね?」


「そうじゃ。その古い塔に入ることは禁止されていてね。もちろん今も入ることは出来ない。子供のころは、ダメだと言われると行きたくなるものじゃ。よく仲間と塔に忍び込む計画を立てた。」

「塔の中には何に入ってみたの?」

「そうじゃ、入ってはいけないと言われるたびに行きたくなって、こっそり忍び込んでは遊んでいたよ。」

「塔の中には、何があったの?」

「秘密の宝箱があると言う話があってね、その箱を見つけたかった。仲間と皆で探したがみつからなかった。」

カオリは残念そうに
「宝箱は無かったのね。」

宝箱がなかったところで、少し眠気がやってきた。カオリはハーブティーをすすりながら聞いていた。ターミーは続けた。

「ある日、その塔が火事になってしまってね。」

カオリは驚いたい様に、目を大きく開いて聞いた。



「塔は燃えて無くなってしまったの?」

「その塔は今、補修して随分きれいになった。しかし火事の時以来、塔には行っていないんじゃ。」

カオリはお茶を一口飲んだ。少し黙っていたターミーが急に思い出したように話し始めた。

「補修していたら見つかったんじゃよ!」

「何が?」
もしかして…
はっと気づいてカップをテーブルに置いた。

「そうじゃ、カオリの思ってる通り。」

「宝の箱?」

「あったんじゃよ、宝の箱が!」

「何処にあったの?」

「子供には手の届かない高い所に隠すように置いてあったんじゃ!」

カオリも友達が出来て、皆と黄色の丘の古い塔に興味の出て来る時があるかもしれん。しかし、あの塔は古すぎる。宝の箱を探そうなんて考えない方がいい。」

ターミーが付け加えた。
「もしも、そんな箱を見つけて開けると…」

「開けると何が入ってるの。」

「開けると何が入ってるの。」

「箱を開けると、箱の中から化け物が飛び出し呪われてしまう!だから、絶対に開けてはならないよ。」



「怖い。化け物が飛び出してくるの?」

カオリは泣きそうになったがすぐにターミーは、笑いながら言った。

「大丈夫!開けなければいいんじゃよ。」

「開けなければいいのね…」

「どうやら、目の覚める話しをしてしまったようじゃ。もっと別の話をしよう。」

「怖くない話がいい。」

「そうじゃな!」







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〜タタミ王国物語〜
第二章

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